だから、
「暴食、色欲、強欲、憤怒、怠惰、傲慢、妬み」
 すらりと僕はいった。シルエット女性はぴくっと反応したが、その反応に何の意味があったのかはわらかない。が、次の言葉で解決できた。
「よくいえたわね」
「暗記だけは得意なんだ」
「褒めたくもない特技ね」
 シルエット女性の言葉は辛辣だった。ドライという過激。
「言い方を間違えたよ。暗記ではなく記憶力かな」
「言い方を変えても褒めないわ。私、心が狭いから」
「別に褒められたいとは思わないな」
「そう?本当に?本当にそう思ってるの」