「あら、いいところねえ、こじんまりしてて、綺麗で」

今日はそのシェアする予定の家を5人とその両親で見に来た。

うん。いいところだ。

学校までそう近い訳じゃないが、いままで通っていた中学もそんなに近くなかったし。

「ここが1番暖かいから鞠奈ちゃんが使いなさいね」

紫苑のお母さんがてきぱきと家の中へ案内する。

「キッチンもあるからちゃんと自炊するのよ」

えらいハイテクなキッチンだな…

うわ、手近づけたら水出てきたし。

「楽しみだね」

鞠奈が俺の顔をのぞき込んで言う。

期待で目が輝いてるし。

「うん。お前料理出来るのか?」

まじ、破壊力はんぱねー。

「っば、ばかにしないでよね!」

「はいはい」

鞠奈が小走りで去ってゆく。

ちょこまかした動きがまた…


可愛かった。