あいつらが睨んでるからって、鞠奈の手を握る力を弱めたりしない。

だって、俺には鞠奈の手を堂々と握る資格がある。

俺らは昔から鞠奈のことが好きだった。

誰が鞠奈の横に座るだの、誰が鞠奈と組みを組むだの、昔は…いや、いまも毎日喧嘩だ。

おもしろいことに、こんなにわかりやすいにも関わらず鞠奈は全く気づいてなかった。

まあ、中学に上がってちょっと色気づいた鞠奈が俺を好きになって、いま俺らの中では俺がトップということだ。

隙あらば鞠奈を誘惑するあいつらたちを牽制しながら、いままで仲良く5人で過ごしてきた。

また、3年間5人で同じ学校とは…

いつまで経っても離れられないんだろう…離れたくもない。