「でことで…志望校変えました」

クラスメート5人全員で先生に伝えに行った。

「うんうん。それで、どこにしたんだい?」

私達が志望することにした学校のパンフレットを見せると、

「おおー、なかなか選ぶのうまいね。ちゃんと自分らのレベルをわかってる」

なんか、めっちゃ褒められた。

少し低めのレベルにしたつもりだったんだけど…自惚れってやつか…

「で、みんなここに行くのか」

「はい。5人みんなここを志望します」

いままで学校は変われど、クラスメートは変わらず。

9年間一緒に過ごしてきたみんなとは断じて離れられません!特に海浬!!

「そうか…永瀬はもったいない気もするがな…」

ああ、紫苑は私達の中でずば抜けて頭いいからなあ…

「先生、俺今さらこいつらと違うところ行って、友達出来ると思います?」

無、無理そう…

先生も苦笑いして、さらに言葉を続けた。

「黄塚は勉強頑張らないといけないぞ。1人だけ別の高校とかはやだろ」

「先生!」

ばんっと机を叩いて風羽が叫んだ。

「なんですか!それ!!僕、そんなにみんなと成績離れてないですよ」

あー、確かに。でも、この中では1番のバカに他ならないのだよ、風羽。

「はいはい。風羽は頭いいから。落ち着こうねえー」

風羽をなだめて座らせる。

いつも、1人だけバカ扱いされて、悔しがっているんだよね。

あんまり、先生もちょっかい入れないで欲しいわ。…正直、風羽なだめるのめんどくさい…