キミに恋の残業を命ずる

「ありがとうございます。わたし取り柄ったらこれくらいしかないから、お世辞でもすごくうれしいです」


ぺこりと頭を下げると、課長はまた驚いたように目を開いて、そして穏やかに細めた。


あ、これ…。

昨日わたしに向けてくれたのと同じだな。
ふんわりとした、やさしい微笑…。



課長は、もしかしてすっごくお腹すいてた?って思うくらいあっという間に平らげてしまうと、次は頬杖をついて、ちびりちびりと食べるわたしをじっと見つめた。


「あの…なにか…」

「ううん」


と首を振りながらも、視線ははずさない。
なんだろう…緊張するんですけど…。


「よ、よかったら、わたしのも食べます?」

「いらないよ。もうキミが食べてるでしょ。もらったら、間接キスになっちゃう」


か、間接…