キミに恋の残業を命ずる

「ふわぁああ」

「ちょっとお休みを取った方がいいんじゃないですか?」

「ホントに大丈夫。それに…別に仕事で起きていたわけじゃないしね」

「?」


意味深な言葉に怪訝に思った。
課長はすこし照れるように間を置いた。


「…実はさ、昨晩は親父と会ってきたんだ」

「え!?」

「ひさしぶりに会ったら、いろいろ話が多くなってね、それで帰りが遅くなったんだ。…キミの言った通り、話してみて良かったかもしれない。ありがとう」

「いえ…」


いえ…。
そんな…。
そんなことないです。


「どうしたの」


わたしは声を詰まらせていた。
課長の方がずっとうれしいはずなのに、どうしてかわたしの方が泣きそうになっていた。