キミに恋の残業を命ずる

こんな会話をしている時の課長は、ほんとに敏腕って感じがする。

報告書を見ている真剣な眼差しは、さっきまでお布団でわがまま言っていた人と別人のようだ。

営業事務になって、より課長のお仕事を近くで知るようになって、改めて彼の有能ぶりと多忙さを思い知る日々だった。


「ところで…お顔あまりすぐれませんけど、大丈夫ですか?もしかしてあまり寝てないんですか?」

「ん…?実はね」

「昨晩は何時に寝たんですか?」

「うーんと、三時くらいかな」

「え、それじゃあ二時間も寝てないじゃないですか…!」

「大丈夫だよ。キミの料理で精はしっかりつけてるんだし」


と言って課長はずずとお味噌汁をすする。

課長の好みはやっぱり純和風。
朝ご飯は必ずご飯と味噌汁。味噌汁をすすっていると目がさめてくるらしい。

ちなみに、おかずには必ず出汁巻き卵をつけてほしいとのことだった。