料理は前世となんら変わりなく行えた。
が、醤油が無かった。
日本食なら必ず使うであろう醤油が無かった。
まぁ、逆にこの豪華なヨーロッパ調の家に醤油があってもおかしいのだが。
日本食が好きな私的には少々寂しい物があった。
キッチンにある素材で作れそうなものを使ってパンを主食とした朝ごはんを作った。
トイフェルは絶賛してくれた。
「僕あんまり自分で作ったりしないから、新鮮だな!おいしい…!」だそう。
この世界にもコンビニか何かがあるのだろうか…
まぁ、美味しく作れたほうだ。よかった。
朝ごはんの片付けを終えると、トイフェルがふと、「街に行こうか」といった。
そういえば、冷蔵庫にはあまり食材がないし、わたしはさっきから白いワンピースで過ごしている。
それにさっき血だらけのトイフェルに触ったからところどころ赤黒くなっていた。
(トイフェルは朝ごはんを作っている間にお風呂に入ったようだ)
色々起きすぎて自分のことなんて考えてなかったな。
流石に血のついたワンピースを着たお風呂にも入っていない汚い女の子が街に出るのは忍びない。
着替えは一着くらいなら用意できる、とのこと。
とりあえずお風呂に入ることにした。