目を開けた。

本日(?)二回目の感覚。

だが、体はすごく現実味があった。
服は変わらないし、姿は変わらないが。

そして一回目の目を開けた世界では大きく違う点がある。

それは、目の前に広がる荒れ果てた土地と広がる誰かの血。

ボロボロな彼の後ろ姿。

そこら辺に転がる死体はどうでも良かった。

ただ、目の前の彼、トイフェルが無事なのかどうか心配になった。

情が湧いたのかもしれない。

黙って見つめていると、彼が後ろを振りかえった。

「やっと、おき、たのかい?」

また二回目の言葉。だが、とても苦しそうだ。

彼の体は血だらけだった。
片目もやられているようで、整ったあの顔はぐちゃぐちゃになっていた。

焦る。
どうすればいいかわからない。

彼は我慢できなくなったようで私の肩に倒れかかってきた。

「お願い、きいてくれる?」

はい、という言葉が出ない代わりに、彼の頭を撫でる。

「ただ、僕を助けたい、と、願って。」

また彼の抽象的な言葉。
でも、私は彼を助けたかった。
だから、目を閉じ、彼の頭に乗せた手でぎゅっと彼を抱きしめ、切に願った。

彼が私の前でまた笑顔で私に愛を囁いてくれますようにと_____