あまりにも似合っていた。
目を奪われた。
彼女はスタイルがいいとは思っていたが、ここまで似合うとは思っていなかった。
どストライクだった。
だから、声が上ずって視線があちこちに飛んでしまったことは仕方のないことだ。
なのに、彼女は眉をひそめ、ムスッとした。
その表情もたまらなかったが、なぜ機嫌を損ねたのか見当がつかず、思考を巡らせる。
すると、彼女は僕の隣に
何でも無いふうに座り、
何でも無いふうに膝下に手を掛け、
何でも無いふうに体を寄せて、
何でも無いふうに僕の目を伺い見るようにして、
「どう?」
なんて聞くのだ。
困惑と焦りと愛しさで声も出なかった。
さっき決めてしまった「彼女に触らない」という約束(?)を守りつつ、どう出れば正解なのか、と頭をフル回転させる。
…結果。
「凄く、似合ってる。大好き。」
…だって、混乱してたんだもん。
嘘は言ってない!
心の底からの本心だ。
ただ、会話として成立している、とは言い難かった。
手は出してないから、セーフだよねっ?!