_____僕は、紅茶を入れながらルナのお風呂が終わるのを待っていた。
実を言うと、ルナと一緒に入りたかった。
しかし、それを言うのは紳士としてどうかと思い、諦めた。
それにまだ出会って間もない相手に「愛している」と言ってしまったことも気持ち悪がられているかもしれない。
だが、彼女に愛しているのだ、と伝えることは息をするように自然にできた。
それがあたり前のように。
・・・・
そういえばそういう流れだったとはいえ、き、きす…してしまったんだよな…
一人顔を隠して耳まで真っ赤な男性。
傍から見たら変人だが、トイフェルのイケメン要素がそれをかき消していた。
イケメンは何をしても許される(舌打ち)
自分は彼女に多大な迷惑をかけていることもちゃんとわきまえているつもりだ。
だから、彼女の為になにかしてあげたかった。
料理…は彼女ができるからダメだ。でも、手伝いくらいなら出来るかもしれない。
練習あるのみだな。
あとは、バイオリンを弾いてあげること…
くらいだな…
音楽は人を癒やしてくれる最高の至福だと思う。
僕にとって今の至福はルナが僕のもとにいることだが。
ルナにはどんな服を仕立ててもらおうか…
やはり黒だろうか。
自分は「服を仕立てる」という魔法は扱えない。 恩恵を受けていないからな。
そんな呑気なことを考えていると、廊下からドタドタっという足音が聞こえてきた。
奇襲か? 敵は侵入不可能なはずだが…
攻撃の準備をしながらドアを凝視する。
…そんなことはないのだから、見なければよかったと直後、後悔した。
「これはどういうことっ?!」
心臓に悪い子だ…