「でも、最初は懐いてたように見えたんだけどな・・・」
「え?」
「あ、俺さ中学の時は親の転勤で別のとこだったけど、小学校音玖と一緒でさ。仲良かったんだ。だから、そう言う事情も知ってるんだけど・・・」
考え込むように口元に手を添える。
「最初の頃は、あいつも兄ちゃん、兄ちゃん、って音玖について回ってたんだよ」
「最初は、仲良かったってこと・・・?」
「うん・・・。まぁ、秋人も難しい年頃だし。音玖は、あいつに強く出れないし」
「どういうこと?」
「負い目があるんだろ。自分を引き取ってもらって。家族の中に入れてもらったっていう」
そんな・・・。
私は俯く。
悲しすぎる。
そんなの。
「誰にも興味関心を抱か中合った音玖がさ。急に彼女ができたって言って来た時は驚いた」
「え?」
「あいつ、どうでもいいって思ってる所あるから。その相手が高校でこっち戻ってきて亜子ちゃんって知ったら、なんとなく納得したかも」
「納得?」


