「あー、そういう事か」
休み時間、立川くんに声をかけられ空き教室で今朝の話を説明すると納得したように唸る。
しばらく考え込み唸った後、意を決したように顔をあげた。
「違繋がってないって言うのは、音玖の言葉の通り。あの兄弟に血の繋がりはないんだよ」
「そうなんだ・・・。連れ子だったの?」
「うーん、そうじゃない。どこまで言っていいのかな。音玖は、今の両親のどちらとも血は繋がってないんだ」
「え・・・?」
顔をあげ、立川くんを見る。
眉を下げ悲しげに微笑んだ立川くんは、身体を椅子にグッと預けた。
「あいつが小学2年の頃、両親が相次いで亡くなってさ。そんなあいつを引き取ったのが、音玖の父親の弟の家族だったんだ」
「そ、うなんだ・・・」
「医者やっててさ。金に余裕があって、親戚だしって感じで決まったらしいけど。秋人は、その時小1でさ。突然見知らぬ人間が兄だって言われて現れて、戸惑ったんじゃねぇの?あんま、うまくいってないんだよ、あの兄弟」
知らなかった。
私、そんな事・・・。


