「お、おーちゃん・・・?」



おーちゃんとやってきたのは、誰もいない教室。
外の灯りがほのかに中を照らしているだけの暗がり。

黙ったまま、ここまで連れてこられてしまったけど・・・。




「どうしたの?あの、後夜祭参加しないの?」



ずっと黙ったままのおーちゃんに戸惑いながら声をかけた。
おーちゃんは、ゆっくりとこちらを振り向いた。



「おー・・・」




まるでスローモーションのように。
ゆっくりと伸びてくる手に。

胸の鼓動だけが聞こえる。



そっと触れられた頬が熱くて。


真っ直ぐ見つめられた瞳が。
近づく吐息が。




ゆっくりと。




私の唇を塞いだ。