「なんで黒田くんと仲いいんだろう?」

「ねー。まったく不釣り合いじゃんね。黒田くんなんて、暗いし地味だし、いっつもボーっとしててなに考えてるかわかんないし」

「この前中庭で虫見ながら独り言言ってた!」

「なにそれ、キモっ」




話題はなぜか、おーちゃんの事に切り替わって、それも悪口へと変換されていった。
なんか、気分悪い。
おーちゃんの事、なにも知らないくせに。



「ばっかみたい」



俯いて手をグッと握りしめると、低く怒った声が響いた。
驚いて顔をあげると、不機嫌に眉をしかめたまぁちゃん。



「人の事とやかく言う前に、自分の顔鏡で見てきたら?捻くれた顔してるから」

「なっ、なによ急に!」

「はぁ?なに、むかつくんだけど」




話していたグループの女の子たちが怒って声を荒げる。
わ、だ、ダメだよ、ケンカはよくないよ。