「俺の行きたいところいってもいい?」

「え?」



おーちゃんに言われてついたのは、少し高台にある住宅街の一角。
ガードレールから見下ろす街並みが、綺麗に見える場所。



「うわぁ!」



こんな場所、知らなかった。
街が、綺麗に見渡せるんだ。
感嘆の声をあげ、身を乗り出すようにして見渡す。



「あんまり乗り出すと、危ない」

「あ、うん。ありがとう」



私の身体を支えるように、肩に手を添えてくれる。
おーちゃんの優しさに私は微笑んだ。




「俺の、秘密の場所」

「え?」

「誰にも、教えてない場所」



誰にも・・・。
そんな場所を、私に教えてくれたんだ。


その事実に、胸がいっぱいになった。