すっと伸びた綺麗な指が私の手を掬う。
濡れたハンカチで私の手を拭ってくれる。


「おー・・・ちゃん・・・」

「アイスは、また買えばいいよ」

「・・・ごめん、なさい」




少し顔をあげ見えた、おーちゃんの濡れた服。
染みにはなっていないけど、私のせいだ。



「暑いからすぐ乾くよ」

「・・・でも。私、ずっと失敗ばっかで、からまわってて・・・それで」

「楽しくなかった?」

「え?」

「今日、ずっと難しい顔してる」




おーちゃんの手が、私の頬に触れた。
それはとても優しくて、温かくて。




「俺は、楽しかったけど。楽しくなかった?」

「・・・っ、楽し、かった。おーちゃんと一緒で、すごくドキドキして・・・」




おーちゃんも、楽しいって思ってくれてたんだ。
私、からまわって、恥ずかしいこといっぱいで。
それでも、楽しいって。