落ちたの、拾って片づけなきゃ。
私は、立ち上がって落としたアイスのもとに行くと拾い上げる。
べっどりとアイス部分だけ地面に無残に零れていた。
「最低だ・・・」
おーちゃんに、嫌われたかもしれない。
呆れられて、デートなんてするんじゃなかったって。
ずっと、ずっとからまわって。
おーちゃんに迷惑しかかけてない。
一緒にいるの、恥ずかしいよね。
鞄の中からポケットティッシュを取り出し地面に落ちたアイスをふき取る。
それをごみ箱に捨てるとさっきのベンチに戻り座った。
手もベトベト。
でも、もうそんなことどうだっていい。
舞い上がって、からまわって失敗ばっかり。
こんな自分、嫌いだ。
「手に、ついちゃったの?」
上から聞こえたふんわりと優しい声。


