「あ、うん」



聞こえた声に顔を上げる。




「長かったね」

「うん。いっぱい喋ってた」

「なに喋ってたの」




おーちゃんが、顔にかかった髪を手で払ってくれる。
その優しい指にくすぐったくてふふっと笑った。




「秘密」



そう言って笑うと、立ち上がる。
おーちゃんに手を差し伸べると、躊躇いなく掴まれる手。




「おーちゃんは?」

「ん?俺も、秘密」




歩き出した私たち。
私は一度振り向いて、さっき言いそびれたことを。






私は。
おーちゃんの事が、大好きです。