「ご両親に、ちゃんと報告しよう。今までの事。こんなに大きくなったよって、ちゃんと見せなきゃ」
「うん」
おーちゃんと私は並んで、お墓の前にしゃがむ。
手を合わせてそっと目を閉じた。
辺りは静かで、風が木を揺らす音しか聞こえない。
それでも隣に感じる、おーちゃんの存在にホッとする。
おーちゃんの、お父さん、お母さん。
初めまして。
心の中で、始めたあいさつ。
二人に、届けと願って。
白石亜子です。
おーちゃんを、産んでくれてありがとうございます。
おーちゃんは、私の恩人です。
優しくて、温かくて、少し不器用で。


