「ついてきてほしいところって、ここ?」
日曜日、おーちゃんに連れられてやってきたのは、とあるお寺。
その一角にある、墓地にやってきていた。
その中をまっすぐ迷いなく歩いて行くおーちゃん。
もしかして・・・。
「これって・・・」
「うん。俺の、両親が眠ってる場所」
おーちゃんの両親の、お墓。
どうして私を、ここに連れてきてくれたんだろう。
きっと、ここはおーちゃんにとってはとても大切な場所で。
「ずっと、ひとりでは来れなかったんだ。遠くから、見てることしかできなかった」
「おーちゃん・・・」
「でも、もう、来れるような気がしたから」
重ねた手がギュッと握られる。
両親の死を、今、受け入れようとしてる。
前を向いて、生きようとしてる。


