「亜子は、いつも人の事ばっか」

「そんなことないよ」

「ちゃんと、俺の事見てて」




おーちゃんは。
あれからとっても甘々です。


私が恥ずかしくなるようなことをボソッとシレッと言い放つ。
本人は、全く赤くなることもなく、当たり前のように囁く。


それはまるで悪魔のささやき。




「おーちゃん、ずるい」

「なにが?」



本人に自覚がないのが、ものすごくたちが悪い。
でもそんなおーちゃんが愛しくて仕方ないのだから。

私も十分重症なのだ。




「そうだ、秋人くんは?」

「ほら、また」

「う・・・。で、でも、ほら、秋人くんはおーちゃんの弟だし。おーちゃんの弟くんの事は、私だって気になって・・・」