「先輩」




後ろから声をかけると、先輩はビクッと身体を震わせる。



「た、たか・・・!?こ、これは」

「先輩。ごめんね。もう、俺先輩といれない」

「え、そ、そんな。ごめんなさい!謝るから・・・!」




必死で縋り付こうとする先輩の肩を掴み身体を離す。




「ごめん。そうじゃないんだ。俺、先輩の事好きじゃない。ほんとはずっとわかってたけど、言葉にしなかっただけ」

「な・・・、そ、そんな」

「でも、もうやめる。だから、ごめんね」




はっきりとそう告げる。
先輩は言葉を失ったまま立ちすくんでいたけど、すぐに怒ったように睨まれると、そのまま走り去ってしまった。




「・・・巻き込まないでくれる。迷惑」



先輩を見送ってると、真央ちゃんが不機嫌そうにそう言って横を通り過ぎようとする。
俺は真央ちゃんの上を掴み引き止めた。