「よお、音玖」
「うん。話し、してたの?」
「そうそう。亜子ちゃんに悩み相談」
おちゃらけた声色でそう言う。
ほら、俺にはこういうキャラがしっくりくる。
「そ。解決したの?」
「・・・解決ねぇ。どうかな?」
「まぁちゃんと仲良くなりたかったら、嘘つかないことかなって話してたの」
亜子ちゃんが、説明するようにそう言うと、音玖はふぅん、と小さく頷いた。
「それは、もっと隆弘が本気にならないと無理じゃないかな」
「え?」
「隆弘の本心、俺にも見せてくれない」
「そうなの?」
「うん。隆弘は、装うのがうまいから」
そう言うと音玖は、鞄をとり亜子ちゃんの手を引いて教室を出て行った。
え、何、どういう・・・。
あいつは、音玖は、気づいてたってことか。


