「待って、真央ちゃん!」



目的の人を慌てて呼び止めた。
はずなのに、その目的の人はぴたりとも止まらず階段を降りていく。



ちょっとちょっと。




「あの、真央ちゃん?」

「・・・あんたって、やっぱ最低」

「ええ?いきなり、なに」




軽蔑の眼差しを向けられ苦笑する。
うーん、まずったかな。
もしかしてさっきの、見られてたとかかな。


こっそり遊んでたつもりだったのにな。
音玖にだってばれてない、はず。



「不愉快だから話しかけないで」

「ひどいなぁ。さっきのはただの先輩で、別に付き合ってないよ?」

「それが最低だって言ってるんでしょ。バカなの?」



真央ちゃんは、思ったことをズバッと言う。
それは誰に対してもで。
それが、俺が真央ちゃんが気になったきっかけでもある。