「みんな、楽しそうだね」



私はおーちゃんと賑やかなみんなの場所から離れ、テラスにいた。
肌寒くなった空気に冬の訪れを感じる。



「・・・また彼氏にしてくれてありがと」

「え?」


ボソッと呟いたおーちゃんの言葉は、思いの外すっと私の耳に届いた。
驚きと気恥ずかしさで思わず聞き返してしまう。




「正直、まだ戸惑ってる。・・・なんにも興味持たずに、ぼんやりと生きてきた時間が長かったし。失ったらって不安は、やっぱり消えないから」

「・・・うん」

「・・・でも。たぶん、俺・・・」

「え?」




言い辛そうに言葉を詰まらせながらテラスの手すり憎んだ腕に頭をつけ顔を伏せたおーちゃん。




「たぶん、独占欲、・・・強い」

「・・・えっ?」

「俺以外に、触れられたら・・・だめ」

「・・・っ」




伏せた顔を少し上げ、流し目的に見つめられる。
胸が、キュンと締め付けられるような。