「秋人くん、私の事でちょっと自分を責めてずっと泣いてくれてたの」




病院についてしばらくして私も意識が戻って、目を覚ましたら秋人くんは私のベッドの脇で泣いてた。




「秋人くん・・・?」

「・・・っ、ご、ごめっ。助けられなかった・・・」

「え?」




秋人くんは、目の前で倒れた私と、私に迫ってくる車を見て、とてもショックを受けていたみたい。
怖くて、死が目の前に来て。



一瞬にして死の恐怖を感じたって。



自分が死ぬ、それよりもずっと怖くて辛かったって泣いていた。





「あいつも・・・、に、兄ちゃんも・・・同じ気持ちだったのかな」

「え?」

「兄ちゃんの、本当の親、死んじゃった・・・。その時、あいつもこんな恐怖を感じてたのかな」




泣きじゃくる秋人くんを見て、ああ、いくら口が悪くて大人ぶっていてもこの子はまだ中学生で。
私たちと変わらない、子どもなんだって思った。