「じゃ、じゃあ、俺・・・、外でとくから」



秋人が顔を赤らめたまま立ち上がると、そう言って歩き出す。




「秋人・・・」

「・・・別れてなんて言ってごめん。でも、俺が言ったからって別れるなんて、亜子が可哀想だろ。ちゃんとしてやれよな!」

「・・・うん。ごめん」




こんなにも、素直だっただろうか。
こんなにも・・・。




「じゃあ、外で待ってるからな」




そう言うとそのまま病室を出て行ってしまった。
ちゃんとしろ、か。


秋人のいうとおりだ。
俺は、自分の事ばかりで彼女のことを何も考えてなかったんだから。




「秋人に教えられるなんて・・・。情けない・・・」




嘲笑を浮かべながら、亜子に近づいた。