そしてその手を、そのまま真央の頭に乗せ少し乱暴に撫でまわした。



｢ちょ、何すんのよ！」

｢え？真央ちゃん、可愛いなーと思って｣



思ったことを口にすれば、真央はあからさまに不機嫌そうな顔になる。
そこは顔を赤らめるところだろ、と心の中で悪態をつきながらも顔には笑みを浮かべた。




｢気になるなら、真央ちゃんが直接亜子ちゃんに聞いてあげてよ｣

｢な、そ、それが無理だからあんたに・・・｣

｢言い辛くて、また泣いちゃうかもしれないけど。こうやって他の人に聞かれるより自分に聞いてくれる方が嬉しいと思うよ｣

｢そういうもの・・・なの？｣

｢まぁ、聞かれたくないことだってあるけど。今回の場合は、俺なんかより真央ちゃんが話を聞いてあげて側にいてあげる方がいいと思うよ｣




頭の上に置かれた手を気にすることなく、隆弘の言葉に耳を傾けている真央に、一層笑みを深める。




｢・・・わかった｣

｢亜子ちゃんの事、よろしく｣

｢あんたに言われなくても！」




キッと睨みつけられ、そこになってようやく手が払われた。