落ち着いて立川くんから離れる。
私はひどい顔をしているだろうな。
「どうして立川くん、ここに?」
「ああ、今日朝から音玖の様子がおかしかったから」
「そっか・・・」
やっぱり、立川くんにはわかるんだね。
「ごめん。俺が余計な事言ったから、亜子ちゃんにプレッシャーだったよね」
「え?そんな!そんなことない。私こそ、力になれなくて・・・」
「そんな事気にする必要ない。でも、まさか・・・」
「おーちゃんね、一度も私の事好きだって言ってくれたことないの」
震える声でそういうと、立川くんが顔を上げる。
私は小さく微笑む。
「私きっと、おーちゃんに無理させてたんだ。付きまとって、断られないのをいいことに彼女だって張り切って」
「亜子ちゃん。あいつは、本当に」
「立川くんはそういってくれるけど、おーちゃんにとってはそうじゃなかったんだよ」
好きな気持ちは強制できない。
おーちゃんは私の事好きにならなかった。
想いが実らないことは、珍しいことじゃない。


