結構絞られたのか疲れた表情が見られる。
俺の部屋に来ることなんて滅多にないのに。

いったい、どうしたんだ。



「弟だって言ったんだって、俺のこと」

「え?」



脈略のない言葉に一瞬首をかしげる。
でもすぐに、あの文化祭の日の事だと気付いた。

そう言えば、そう紹介した気がする。
でも、それ以外どう紹介すればいいのかわからなかった。

咄嗟だったし。



「弟なんて思ってないくせにな」

「・・・それは」



お互い様だろうと思う。
秋人だって、俺の事を兄だなんて思っていない。




「じゃあさ、そんな可愛い弟の頼み、聞いてよ」

「・・・え?」




まるで可愛い弟の頼み方ではない強引な声に眉を顰める。