中学の卒業式の日。
照れくさそうに、好きだと言われた。


誰とも関わらないように、求めないように生きてきたはずだったのに。




気づいたら「うん」と答えてた。
ハッとして、謝ろうとしたら彼女はひどく嬉しそうに笑って、なにも言えなくなった。




高校に入学して同じクラスになって。
送られてくるメールには差し支えないくらいの返事を返した。



いつか、諦めてくれるといい。
愛想を尽かしてくれれば、丁度いい。




それでも。
遊ぼうと誘われて。



それに応えている自分がいた。
デートをして、それを楽しんでる自分がいた。




ちぐはぐすぎる自分に、戸惑う。




「真っ直ぐでさ、音玖一筋って感じで。よかったな。あんな子がいてくれて」




よかったのだろうか、と俺は思う。