表情の乏しい俺に、少しでも表情を変えさせようといろいろとしかけてきてることくらい気づいてる。

小学校からの付き合いで、俺のいろいろなことを側で見てきた隆弘。



俺が、壊れていく様も、側で見てきた唯一の友だち。





「それに、作ってもらうときは作ってもらってるよ」

「俺と食べない時」

「・・・そんなことないでしょ」

「ある」

「えぇー」



隆弘が困ったように笑う。
どうして、隆弘は今でも俺の隣にいてくれるんだろう。




「亜子ちゃんさ、いい子だよね」

「・・・うん」



話を切り替えるようにしてあげられた名前。
亜子。
・・・なんて呼んだことないけど。