凛花side

「試合はじめー」

「ヘェーイパスゥ〜」

ただいま体育の授業真っ最中である

バスケの試合といったところだろうか

皆さほどやる気はなさそうにダラダラとしている

私もその一員であるのだが


それにしてもさっき廊下ですれ違った

白岡くんとやらが頭から離れない

変なやつだから記憶に残ったんだろう

だがどこかで見たことがあるような気がするのは思い込みだろうか?

でもまああんなやつのことを考えてる暇などない、

いや、奈緒の好きな人だから、少し探ってみてもいいのでは??

いやいや、でもそんなに興味はない。

それにしてもナヨナヨしてみっともないやつだな

いやいや、興味はないのだ。

「花咲さんっ!危ない!!!!」

は???

と思い声のする方向へ体を向けると

一瞬目の前に茶色い物体が見えた

バフンッッッ


何かの衝撃のあとに見えたのは

垂直になった世界だった。



「りんか!!大丈夫??」

...


そうか、私

顔面にクリティカルヒットしたのか

ようやく事を理解した

私はむくっと起き上がり、

「ごめん...」

と謝る。

すると周りの人たちが駆け寄ってきてくれた。

「大丈夫???顔??」

はぁ、こんな時に私は嬉しいと感じてしまった

こんな時に、照れてしまった。

コクンと頷くと、

「り、りんか!鼻血!!!!」

鼻の下を、ツーと何かがつたる感じがした。

そうか、私、

鼻血が出たのか。



「先生、花咲さん、鼻血!!」

すると、先生もかけよってくる。

「うぁりゃー花咲、鼻血がブーだな!!!とりあえず、保健室行ってこい!!!!」

はい。もちろんですとも

喜んで

「凛花、大丈夫???」

奈緒にそうきかれるも、今口を開けると

お鼻の中を通ってきた赤い水をお口に入れてしまいそうだったから

コクン、コクン、二度頷いて、体育館を後にした。