「これで、よし・・・」
放課後夕日に照らされながら
彼女は言った。
「これで、歩希くんの前から早苗はいなくなる・・・」
ポツリと呟いた彼女の手には、
「福井早苗復讐ノート」と真っ赤なペンで書かれたノートを持っていた。

「第1段階は完璧・・・誰も私を見ていない・・・
後は第2段階、第3段階だけ・・・」

「おい、何してんだー?」
「!!!」
目の前には、クラスの男子、上田嘉樹がいた。
まずい。ここでバレてしまえば一巻の終わりだ。
「い、いや、何でもない・・・」
「そうかー。早く帰れよー!」
「うん・・・」
「危なかった・・・これがバレたら私が歩希くんの前から消えないといけない所だった・・・」
「でも、場合によってはあいつもお仕置きしないといけなくなるかも・・・作戦練っておかなきゃ・・・」
彼女はそうつぶやくと足早に学校から帰った。