涙色。


3年生になってしばらく経った。

いつものように陵河と帰ろうと思い上の階にある6組に向かう。

人は結構減っていて、廊下には1人2人くらいだった。


「ちょっと遅かったかな。陵河怒ってっかも。」


なんて笑いながら4組の前を過ぎようとしていた。


西山、もう帰ったのかな。


夕日が差しはじめた教室を窓から横目で見る。

「…え…」

オレンジ色になった教室には担任の川木と



…西山がいた。


な、んで?

ただ話してるだけなのなのかも。

と思ってしっかりと見てみる。


すると西山が川木のほほに手を添えて、
もう片方の手で顔を近づけだす。


ズキズキする。


また、少し。

西山との距離が遠のいた気がした。

胸が…痛い。


これ以上耐えられないかもしれないな。


俺がどれだけ思っても、もう西山には届かないんだ。