中学に入った。
西山、来るかな。
1人きょろきょろしてると、後ろの人にあたってしまった。
ードンッ
「あっ、すいません」
俺はとっさに謝った。
「…私こそごめんね?大丈夫?」
「…」
目を疑った。
そこにいたのは西山だった。
いや…西山…だと思う。
目の前の西山は、あまりにも変わりすぎていた。
黒かった髪は茶色くなり、セミロングは腰まであるロングになっていた。
そして薄いメイク。
西山が夜な夜な高校生たちと遊んでるって噂は陵河やみんなから聞いてたけど、そんなの根も葉もないことだと思っていた。
本当、なのかな。
「え、そんな痛かった?大丈夫なの?」
西山が心配してるのか呆れてるのか分からない声で聞く。
「…あ…えーと。大丈夫」
俺は何となくこたえた。
俺のこと、覚えてねーのかな。
…ズキン…
心のどこがでは変わった俺を見て、西山が好きになってくれるんじゃないかって思ってた。
西山が俺にほほえんで「変わったね!かっこいいよ!」って言ってくれるのを期待してた。
そんなのは、ただのうぬぼれでしかなくて。
情けなくなる。
それでもあきらめきれなくて、まだ好きなんだ。
