腰のあたりに何かが触れた。


…え?…


驚いて目をあけると、先生の手だった。

すると先生は、私をゆっくりと引き寄せた。


「…あ、えと…」


予想してなくて、動揺が隠しきれない。

すると、先生のもうひとつの手も私の背中にまわった。

私を抱きしめる先生の手は、どんどん強くなる。

体全体でドキドキして、震えが止まらない。

顔が赤くほてっていくのがわかる。


…やばい…どうしよう…


「せ、せんせっ」

「あ、ごめん…!」


先生はハッとしたように言った。

でも、私を離すことはなく抱きしめている。


「…今年、まだ先生になったばかりで…。正直、そんな顔されたら、止められなくなる。」


ドキドキを通りこしてズキズキする。

今までにもこういうことはしてきたけど、ここまで反応してしまうことはなかった。


…う…いたい…。


鋭い鼓動が全身を刺していく。

もしかして、私は本当に先生のことが


「…好き」


あ。


つい声にでてしまった。

先生は抱きしめた手を離すと、教室の入り口に向かって歩いて行く。

好きって言ったから、怒っちゃったのかな?

なんでかは分からないけど…。

せっかく、つかまえたのに。


離したくない、

どうしよう、

謝らないと…。


「せ、せんせ…。なんか、ごめんなさ」


ーガラガラ


まだ話している途中で、先生は教室の扉をしめた。