「日記には、
そう書かれているんだけど、
私の記憶にはなくて・・・」
その話を聞いて、
遊介君がやって来た。
「千里。あの話なんだけどいいか」
「う、うん」
「えー!名前呼びなの!?
秋中さんいいなー」
「ずるいよー、秋中さんだけ。
抜けがけしてるー」
女子達から、批判の声が上がるけど、
私は逃げるように歩く。
誰にも見つからない北階段で、
遊介君は立ち止まった。
私は早口で話し始める。
「あのね。私、遊介君のこと、
あまりよく知らなくて。
だからね、告白の返事はね・・・」
「返事は・・・?」
「もっともっと、
遊介君のことを、知っていきたい」
しばらくの沈黙。そして、
「それって、
付き合っていいってこと?」
私は大きくうなずいた。
「やったー」