2学期の初日。
「おはよー」
「おはよう!ねぇ千里、
今日転校生来るんだって!」
教室に入ったとたん、
親友の美鈴が駆け寄ってきた。
「転校生?どんな子なの?」
「それはわからないけど・・・
でも噂じゃなんか男子らしいよ」
男子と聞いて、私の胸が痛んだ。
遊介君、元気かな。
「千里、いつもと様子が違うけど、
いったい何があったのよ」
と聞いてきた。
「な、何でもないよ」
「本当かなぁ・・・怪しい」
美鈴はニヤニヤと笑う。
「本当に何にもないよ」
「そう?ならいいけど、
何かあったら絶対教えてね」
美鈴には、遊介君とのことを、
絶対に教えたくない。
そう思っていると、
「はい、みんな席つけー。
ホームルームを始める前に、
転校生を紹介する。さ、入りなさい」
そして入って来た転校生。
私はおもわず叫んだ。
だって、あの人は
「遊介君!?」
「えっ、千里の知り合いなの?」
と後ろの席の美鈴。
「千里!?どうして・・・」