「お母さん、心配しすぎ」
私は会話に入れなくて、
ただ聞いているだけ。
「とりあえず、上がっておくれ」
「そうね、
立ち話もなんだし、上がろうかしら」
とお母さんが言い、靴を脱いでいく。
「ちょうど今、
スイカを食べていたんだよ。
理恵も食べるかい?」
と、おばあちゃんが聞く。
「じゃあ、いただくわ」
「あれ?でもお母さん、
果物嫌いだよね。食べられるの?」
いつもおやつに果物が出ると、
お母さんだけ、食べないんだよね。
「あんまり好きじゃないの。
でも食べれることは食べれるよ」
そう言うことか、と私は納得。
「ところで千里。宿題は?」
「やってるよ。ちゃんと」
「そう?本当かしら?」
「うん。もう数学は半分いったよ。
さ、早くスイカ食べよ」
「千里はスイカが好きだものね」
「だって美味しいんだもん
今日のスイカは誰の家かなぁ~」
「橋元さんの家だよ」
「わーい」
おばあちゃんの家がある村は、
色々な野菜や、
果物を育てているから、
おすそわけもたくさんあるんだ。