「…で、どこの部屋使えばいいんだ?」



銃を全て片付けて
あぐらをかきながら旅人は言った


「…そうねぇ。隣の部屋を使ってくれない?親父の部屋だから」



「了解」


そう返事をすると

早速
銃を薄茶色の安っぽい小さな鞄にこれでもかと詰め込め

所々剥げている革靴で
床の上をスタスタと歩いて行く

歩く度に肩に掛けていた黒いマントが揺れていた





ドア付近で一旦両足が止まり
少し置いてから
顔だけ此方を向いて




「じゃあなアホ面」









と、思ってもみなかった言葉を言い放ちドアの向こうへと消えていった