「ははは!消え失せろ!魔物どもめ!!」 自分も消されるかもしれない 恐怖からか、目を血走らせ獲物を 振り上げる人間たち―。 「あれさえなければ…っ」 今まで全ての頂点に立っていた 傲慢で愚かな魔物もとい魔王軍―。 殺伐としたなかで空中から その様子を眺めている一つの姿。 「……」 フードを被って男なのか女なのかは はっきりしない。だが、その隙間から 覗く赤い眼は眼下に広がる光景に 冷たい色を乗せている。