長留類(ながどめるい)、高校2年生。

今日から晴れて新学年。


「みんなおはよう!」


朝から担任の耳に響く声。


「はぁ。」

「また仏頂面んなってんぞー。」

「うるさ、」


ちょっかい出してくるのは前の席の宮下冬弥(みやもととうや)。


「そんじゃ、今日は転校生を紹介しまーす。」


先生の一言でダラダラしていたクラスメートもざわざわしだす。

男の子!?イケメンかなー、なんて口々に言う。

正直くだらない。


「はいってこーい」


勝手の悪い教室のドアを軽々と開けた転校生。


「木水蒼くんだ。」

「きみずあおいです。兵庫から越してきました。みんな仲良うしてな!」