Savior-社長は救世主-


社長の顔が険しくなる
そんな顔、しないでほしい…


『大丈夫ですよ、たまたま機嫌が悪かっただけですから』


「機嫌が悪くても、やっていいこととダメなことがあるだろーが」


剥がした冷却シートをまた貼ってくれた
資料を受け取ると思った社長の手は
私の腕へと移動した

腕をまくられると、痣が幾つかある
私は見られたくなくて、すぐ裾を戻した


『本当に大丈夫です…』


「馬鹿か、何が大丈夫なんだよ!」
「行くぞ」



社長はアパートの中へ入っていく
は?えっ?なに?
よくわからないが、社長は多分
私の部屋に向かっている


『社長、何するんですが?大丈夫ですから!社長に迷惑はかけられません!』


社長を追うが何も言ってこない
エレベーターがない4階建
階段を登りながら、何号室だと
かなり不機嫌な声がし、
もう拒否もできないと思い観念した