Savior-社長は救世主-


「メールしたんだよ?」


その言葉にハッとする
メールだと思って確認していなかった
後で確認しようと思っていて忘れていた

そして、和弥が不機嫌だ


「小森」


社長の言葉に私はマズイと感じた


『社長、お疲れ様でした。お休みありがとうございます、失礼します』


頭を下げ、急いで和弥に駆け寄った
急いでこの場を去らなければ…
じゃないと、社長に迷惑がかかる


『ごめん、』


そういうのが精一杯
行こう、と私の肩に手を回し抱き寄せた

痛っ…


私の肩を握る手の力は強い
アパートまでの道のり
和弥は一言も話さず、
私を離すこともしなかった
私が話しかけても……無視だ

アパートに帰ったら
どんなふうになるか、予想はつく
考えるだけで、怖い
けど、逃げるなんて選択肢はないんだ…