「君さえいれ良ければ、ウチに来ないか?神谷くんのとこより倍は出すよ?もちろん住まいも私が用意するよ」


…は?
さらっと話す遠峰社長だが
顔はさらに気持ち悪く笑っている
女好き、
そうやって囲おうとするのかと吐き気がした


「困りますよ、遠峰社長」


喫煙ルームにいるはずの社長が
こちらに歩いてくるのが見えた


「僕の秘書を引き抜きですか?遠峰社長も悪い人だなぁ」


社長はニコニコしながら、私の横に来て
私の腰を引き寄せた


「言い忘れていましたが、僕の秘書でもありますが、僕の恋人でもあるんですよ?そういう誘いは遠慮してください」


社長の言葉に私も遠峰社長も驚いた
社長…嘘とはいえ
そんなこと言ったら大変なことになる


「そ、そうだったのか、…それは失礼した」


妙に納得をし私達から離れていった