『ちょっと…まってよ…。私、仕事を辞めたくないよ?なんで勝手に決めるの?引越しだって…』
焦った、戸惑った
まさか和弥がそこまで考えているなんて思いもしなかった
「澪?澪がやっている仕事って、澪じゃないと出来ないこと?澪が辞めたら、また誰かを雇って、その人が澪がやっている仕事を熟していくんだよ?澪の代わりはいくらでもいるんだ」
なっ…、
なんでそんな風に言うの…?
そんなの…、
そんなの…会社員なら
みんなそうでしょ?
確かに私は特別選ばれた訳じゃない
資格も…秘書資格とパソコン資格しか持っていない
けど、けど、私なりに頑張ってきたつもり
なのに…
それを否定された
「だから、早く辞めちゃいなよ」
そんな仕事。
和弥がその後、何を言ったのか
全く覚えてない
私の価値って…なに?

