『…あ、もしかして電車かな?香水臭い若いチャラチャラした男が隣に座っていたから…臭い移ったのかも…』
すぐ、洗濯する
そう言ってコートを脱ぐ
和弥に怪しまれたく無い
コートを洗濯機に入れようとすると
私のコートを和弥は奪い取り
また臭いを嗅いでいた
えっ?……何っ?
なんか…怖い。
「このくらい大丈夫だよ」
そう言って、私のコートを持ち
消臭香りスプレーをかけ始めた
『そ、そう。…ありがとう』
まさか臭いまで敏感だと思わなかった
多分、車で長時間一緒だったから
コートに臭いがついたんだろう
はい、と渡されたコートを嗅ぐと
社長の匂いは全くしなかった
ご飯にしよう、と
和弥はキッチンへ行った
怪しんで…ない
ホッと胸をなでおろし
私は着替えることにした

