シャツをギュッと握る私に社長は詰め寄る
「…まさか、男か?」
触れてほしくなかった
気付いてほしくなかった…
『…いえ、転んだんです』
「馬鹿か、転んでそんなところぶつけるやつなんていないだろ」
『…転んでぶつけたんです』
「一般的に転んだら反射的に手が出るだろーがっ」
明らかに怒っている社長
なぜ怒っているのかわからない
社長に迷惑をかけたつもりはない
『見すぼらしいものを見せてしたい、すみませんでした』
謝罪して席に戻ろうとしたら
社長に腕を掴まれた
『痛っ』
私の声に驚いた社長は
パッと手を離した
「そんなに強く掴んでねぇ…」
まさか…と言って
私の手首を掴んで袖をまくり上げられた
『やっ、やめてください』
私は袖を押さえ、抵抗する

